お布施の所以
お布施は「布を施す(与えるの意味)」と書きます。これは昔のインドでの逸話が元になっているそうです。お坊さんが説法をしながら家々をまわっていたところ、とある家で「とてもいい話をお聞きました。なにか御礼がしたいのですが我が家は貧しいゆえ、このような布しか差し上げられません。」と言って汚れた布を差し出しました。それをもらったお坊さんはその布を縫って継ぎはぎだらけの服を作りました。これが袈裟の起源であり、お布施の所以となったといわれています
現代では
お布施とはお葬儀の際、僧侶にお渡しするお金のことです。読経をしていただいたり、戒名をつけていただいたりした対価としてお布施をするのではなく本来は御本尊に捧げるものでした。金額は地域性や宗派により様々で一概に言えません。金額に決まりは無いのですがあまりにも少ないと失礼に当たりますし寺院を維持するにはお金が必要です。いくらお渡しすればわからない場合は「皆様はいくらぐらいされていますか?」と直接伺ってみるのもいいかもしれません。直接聞きづらいと感じられる場合は葬儀社に相談してみてはどうでしょうか。代わりに聞いてもらえます。
どうやってお渡しするか
奉書紙や白い封筒に包んで渡します。香典には水引がついた袋を使いますが、それは水引に邪気を払う力があるといわれている為です。お渡しするお寺に不幸があったわけではないのでお布施には水引は不要です。表書きは「御布施」と書き、下に苗字を記入します。ここでも香典との違いがあります。香典は薄墨を使用するのが通常です。それは悲しみのあまり涙が止まらず涙で墨が薄くなってしまったとか、悲しみの為、墨をする腕に力が入らず薄くなってしまったからと言われております。それに対してお布施には濃墨を使用します。感謝の気持ちの意味でお渡しするので薄墨を使用する必要がないからです。
お渡しするタイミング
これも地域や宗派により異なる場合があり一概にはいえません。ですが①お葬儀前に挨拶に行ったときにお渡しする②葬儀が終わったあと控室にてお渡しする③後日、寺院を訪問してお渡しするといった3パータンが主ではないでしょうか。葬儀前で慌ただしい、式後に控室に伺ったが既に帰られていた、後日、寺院に伺ったが不在だったなど、どの方法がベストということは無いように思います。渡せるタイミングで確実にお渡しすることが大事になりますから、こちらも葬儀社に相談してみるのがいいかもしれませんね。