桜満開の時期の心温まる葬送のお話しです。
ご家族に故人様の情報をカウンセリングしながら 「今年も桜を見たい」と云っていたこと、庭の花々を慈しんでいたこと、日々川柳をつくることに生き甲斐を感じ楽しんでいたこと、生前中の亡き人の穏やかな表情や温かい人柄が浮かび、またご家族・兄弟・姉妹の仲の良さも垣間見え、微力ながらも精いっぱい「その人らしい」皆の心に繋がる葬送をつくりたいと考えました。
祭壇には故人様の好きだった黄色の花や、色とりどりの花、その横には今年も見たかった桜の木を飾り、会葬礼状にはご家族よりリクエストのあった川柳の一句を載せ、そして偲ぶコーナーには在りし日の懐かしい姿や笑い顔、庭先の花々の DVD が流れ、お棺の周りにはご家族ご親族が寄り添い、お化粧を施した優しいお顔を見ながら過ぎ去りし日を偲び、語り合う光景が見られました。
最後のお別れの際には故人様に大切にされたお孫様が、お弁当箱にお餅や好物類を詰合せ、お棺の中にはご家族の皆様で大好きだったお花や桜の花を入れ、それぞれに感謝の言葉をかけておられました。
その時の会葬礼状に掲載された一文です。
「季節の花を愛し優しき笑顔で孫と接し蘇る面影全てが温かいのは、共に過ごした日々が幸せであったからだと思っております。」
近年はご家族様だけの意向だけで執り行なわれる葬儀や故人様の人生を軽視する簡易な葬儀スタイルも増加しております。
あらためて感じさせられた、その場に集う皆様の「縁」の重み、亡き人の尊厳を思う心、その葬送の時を共にしたご家族・ご親族は来年の桜満開の時期には、お心内にある人を偲び胸の中に生きる人を思い起こすのではないでしょうか…。
葬送の形は様々であっても送られる人がいて送る人がいる、この形はいつの時代も変わることはありません。
今の時代に生きる皆様に出来る「心に記した想いを伝えること」私達と一緒に創り上げてみませんか…。