お客様より、今年中に自分なりの表現で、エンディングノートを仕上げたいので、一緒に立ち会ってアドバイスをしてほしいとのご要望があり、日を分けて訪問をさせていただき、完成をするに至りましたので、その経緯や、実際に行った作業をご紹介させていただきます。
作者様:70 代前半女性家族構成=本人様・お子様 2 人(女性で既婚 県外と近隣に在住、お孫様 3 人)
作成を思い立ったきっかけは約 5 年前にご主人を亡くし、その時に何も準備をしてなかったことで、大変だったことを振り返り、子供様に同じ思いをしてほしくないとの思いから。
準備品:心記想伝(エンディングノート)・鉛筆・消しゴム・預金口座・保険書類・アルバム
① まずは、アルバムを見ながら、幼少期から今に至るまでの、話を順番にしていただき、強く思い出に残っているところに付箋を貼り、今思う事のコメントを入れていきました。
② 本人様情報(本籍地、出生地、お父様、お母様の名前、本人様の名前の由来、学歴、就職、結婚、趣味等)を覚えているところから順に記入をして頂きました。
③ 家系図も分かる範囲の記入をしていただき、子供様やお孫様にご先祖の繋がりを知っていく為にも、なるべく詳しく入れて下さいと伝え、日を分けて可能な範囲にお名前を入れました。
④ この部分は、実際に見てはいませんが、預金預け入れ先、生命保険、葬儀保険、土地、建物についても分かる範囲の記入をされたとの事です。(土地、建物の継承についても、希望とその理由も記入されたそうです)
⑤ 交流のあるお友達関係の住所、連絡先、メールアドレスも記入していただきました。
⑥ もし・・・・認知症、介護になったときのこと、希望される場所、お世話になりたい方、その費用は、どこからといったことを子供様にも相談をしながら、全てではありませんが、方向性は定まったとの事です。
⑦ 病名や余命の告知、延命治療についても、理由も含めて記入をいただきました。これは、ご主人様の病気宣告を受けて、心を悩ましたところでもあり、子供様には、ご自身の意思を明確にしておきたいとの事でした。
⑧ ご葬儀を行いたい場所、亡くなった時に帰る場所(ご本人様は、ご自宅を希望) 宗派・喪主の希望・使ってほしい写真・葬儀規模・内容(祭壇、生花、棺、衣装) 予算(あらかじめ見積もりは作成済みです)、ご遺骨の埋葬(家をつぐ方がいないので、これから話合うそうです)
⑨ もしもの時に、必ず連絡をいれてほしい方(⑤の方々以外の親族の名前が出ました)
⑩ 最後に、あらためてアルバムを開き、幼少時代から学生時代~就職、結婚、出産、子育て、ご主人様 親御様との別れ、今に至るまでの思い出話や苦労したこと、家族や友達に感謝をしていることなどを、涙と笑いを交えながら話され、最後にこう伝えてくださいました。
「人生決して穏やかなものではなかったですが、決して私一人の力だけで生きてこれた訳ではありません。やはり親への感謝と亡き夫への感謝(泣かされたことも幾度とありましたが・・もう許しています)、そして子供と孫達への私からの想いはこのノートに、素直に綴ることができましたので、とても有意義な年になりました」
作成後の感想として心想想伝(エンディング)ノートを作るということは、人生の棚卸しにも繋がり自分を見つめ直し、これからの人生をどういったものにしたいのかを考える大きなきっかけにもなり、心の声を文字にすることで身近な家族や大切な方にとっても何事にも代え難い、あるべきご縁の尊さを伝えられる一冊になるものと強く感じております。
終活カウンセラーとして「聴くことの大事さ」をあらためて認識をすることができ、相談者の方に寄り添い、その人その人の考え方とペースで作り上げていくことを学ばせていただきました。